MT-09が納車されてから半年でツーリングメインで5,000km走行しました。
このバイクの良い点・悪い点について、大体わかってきたので、一般的なライダー目線で感じた事をまとめました。
目次
独創的なデザイン

MT-09の見た目の特徴として、私のお気に入りは1眼のフロントフェイスと、他のバイクと差別化された腹下マフラーの形状です。
1眼のヘッドライトとフロントフェイス全体の印象は、好みが分かれるようですが、私にはピッタリでした。
バイク屋さんに立ち寄った時には購入するつもりがなかったのに一目ぼれしてその場で契約を決めたほどです。
バイク選びにおいて 「見た目」は非常に重要 で、どれだけスペックが優れていても見た目が好みでないと楽しめません。

また、一般的にバイクのマフラーはサイドに配置されることが多いですが、MT-09はショートどころか車体下部に収まる、他ではなかなか見ないデザインになっています。
排気口も下向きになっているため、路面の種類によって排気音の響きが変わるのもロマンを感じるポイントです。
さらに、このマフラー位置には実用的なメリットもあって、例えば転倒時マフラーが傷つきにくい点や、サイドバッグを装着する時に排熱の影響を気にしなくてよかったりと特有のメリットもあります。
数値的に比べられる他の要素ももちろん重要なのですが、見た目の好みもバイクを楽しむ上で欠かせません。
気に入った見た目なら、乗るのも楽しくなり、カスタムする意欲も湧いてきます。
乗車ポジションが快適

MT-09に初めて跨ったとき、まず感じたのはポジションの楽さでした。
バーハンドルの形状とハンドルまでの距離が適度なため、自然と上体が起きて背筋が伸び、無理なくリラックスした姿勢で乗る事が出来ます。
また、そのポジションからバイクに乗っている時に辛くなりやすい「首、腰、肩、手首、膝等」に長時間乗っていてもストレスを感じにくいです。

さらに、そのように上体が起きて姿勢が垂直に近いため、モトブログ撮影時にカメラを装着しても首への負担が軽減されるという思わぬメリットもありました。
といっても極端な直立ポジションではなく、適度にスポーティなポジションにもできるため、ワインディングでもバイクを操る感じも得やすいです。
シート高はやや「高」だが足つきは良い

MT-09のシート高は825mmで、シート高が高いオフロードバイクやアドベンチャーバイクを除いた、他のバイクの平均が800ぐらいとすると少し高めです。
しかし、実際乗ってみると、タンクから足元に向かってかなりシェイプされた形状になっているので、足つきは悪くありません。
この辺は、3気筒エンジンの特性上、他の大型バイク4気筒エンジンと比べて車体の幅がスリムになりやすいので利点が出てますね。
さらに、MT-09のポジションは、股関節が自然に外側へ広がる形になる為、足がスムーズに地面に届く感覚間隔があります。

ちなみに私の身長は178㎝なのですが、余裕をもって両足ベタ着きできるため、実際のシート高ほどの高さを感じる事はありませんでした。
風耐性はゼロだが100km巡航可能

MT-09を購入する時、一番懸念点だったのがウィンドウスクリーンが無いことでした。
これまで乗ってきたバイク(400x、Ninja400)はウィンドウスクリーンがあり、特にNinja400では純正より大きいものへカスタムするほど風対策していました。
しかし、MT-09はウィンドウスクリーンが無く、乗車姿勢も上体が起きて風をモロに受けそうで、どれだけ疲労が溜まるか不安でした。

最初に乗った時は、特に着ていたジャケットのフードに風が入ってめちゃくちゃ引っ張られてクビが絞まるのが辛かったです。

それでも、フード無しのジャケットを新調して、しばらく乗っていると慣れて今で辛さは感じないです。
今では通常の60km巡航ではほとんど気にならず、100kmでも1時間程度なら問題なく走行可能です。
ただし、それ以上の速度になってくると、さすがに風圧が厳しく吹き飛ばされそうになるので、ホールドするのが大変で厳しいですが、100kmを大きく上回る速度で走り続けることは無いので問題無いです。
また、風を全部受ける形になるので、冬場は1段と寒さを感じやすいので防寒対策はより必須になります。
トルクの暴力!モード切替は楽しい

「3気筒は2気筒と4気筒の良いとこ取り」とよく言われますが、その通りで低回転域のトルクの強烈さと、高回転域の伸びの良さに天井を感じないです。
リアルな話すると、低回転域で雑にスロットルを開けるようならば簡単にフロント上がるしワープしたぐらいの加速感を感じれます。
まさに日常生活では味わえない感覚で、1度体感するとやみつきになるでしょう。

また、MT-09には4段階の走行モードがあります。
- モード1/2/3・・・最高出力は同じでスロットルレスポンスが変わる
- モード4・・・最高出力まで抑えられている
感覚的に言うと、「1」でアクセルワークを雑にすると簡単にフロント上がる感じで、「4」だと中型バイクぐらいの出力しかでないし、アクセル開けた時の反応もかなり鈍くなる感覚です。
街乗りなら「3」にしといて、楽しみたい時に「1or2」に切り替えて「4」は雨の日とか見通しが悪い道とかで使う形になります。
モード切替すると同じバイクなのに乗り味が変わって楽しいし、このような機能がついてないバイクだと常時「1」だと考えると無駄に疲れると思うのでいろいろ切り替えれるのは良いですね。
また6軸センサーがついてて、現行車種でよくある電子制御もりもりバイクなのですが、その効果を感じるかの問いがあるとすれば、私は効果はあると感じました。
雑な乗り方、急発進、急制動、急コーナーしても車体が勝手に安定されてくれる感覚があるんですよね、多分無かったら転倒しているかもしれません。
クイックシフターは思った以上に便利

乗る前に一番いらないと思った機能がクイックシフターでした。
私のバイクに乗るうえで楽しさの1つは「クラッチ握って→シフト操作」このガチャガチャ感です。
そんな私なので「クラッチを握らなくていい」クイックシフターなんて搭載されていても使わないし、いらないと思っていました。
しかし、使って見るとめちゃくちゃ便利!

特にシフトアップ時によくつかうようになりました、もちろんクラッチ握って通常通り行う時もありますが、疲れている時とか、街乗りで流れてる時とかは、楽なのでクイックシフターを活用するようになりました。
実際乗ってみると「楽しみたい時はクラッチを握り、楽をしたい時はクイックシフターを使う」という選択をすれば良いだけでした。
軽快そうに見えて旋回性能は微妙

MT-09のイメージは軽快な感じがありますが、ハンドルの切れ角が少ないため、乗車時の取り回しは意外としにくいです。
上級者であればアクセルターンなどで補えますが、普通に乗る分にはUターンや低速旋回で苦労する場面があるでしょう。
実際、ハンドルロックにあたってからバランスを崩してからの、立ちゴケ経験済みです。
降車時は乗車時とは相まって、車体の軽さやハンドルの高さから取り回ししやすい感覚はあります。
航続距離は200kmぐらい

長距離ツーリングに頻繁に出かける私にとって、航続距離は重要な指標の一つです。
MT-09のタンク容量は14Lで、より実走行に近いWMTCモード値での燃費は20.4km/Lとされています。
しかし、実際に私が乗ったところ、燃費は約15~17km/Lほどで、航続距離は約210~230kmでした。
ちなみに、タンクの実際の容量を知るために空にして給油してみましたが、14Lしか入りませんでした。
カタログ上は14Lと書かれていても、小数点以下の余剰分があることが多いものです。
例えば、Ninja 400はカタログ上14Lですが、実際には14.9Lほど入れることができました。
そのため、MT-09も多少の余剰分があるかと思いましたが、実際には14Lピッタリしか入らず、余剰分はないようです。
バイクによってはカタログスペック以上に入ることも珍しくないですが、MT-09ではそうではなさそうですね。
初めて乗った400Xは400km走り、Ninja 400は300km走れていたことを考えると、MT-09の200kmは少なく感じます。
最後に
MT-09は納車される前に想像していた通りのパワフルなバイクでしたが、大型バイク(889cc)にしては扱いやすい個性的なバイクでした。
特に快適なポジション、圧倒的トルクと加速が魅力で乗れば乗るほど楽しくなります。
一方で、風耐性が無いとか、航続距離が少ないとかデメリットもありますが、どちらも補えるレベルで楽しさが上回ります。
以前のバイクたちもそうでしたが、これからさらに愛着が湧いて楽しくなっていく1台になるでしょう。
これからMT-09を購入しようと考えている方の参考になれば幸いです。
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