バイク乗りにとって「冬=寒い=辛い」というイメージを持っている人は多いと思います。
ですが、冬用の暖かくなる装備をきちんと整えれば、冬のバイクはそこまで苦行ではありません。
季節で分けると一番辛いのは冬より暑い夏です、走りに行ける場所が多くなるので夏は楽しさも増えますが暑さは辛い。
私の愛車ヤマハのMT-09にはヤマハ純正(ワイズギア)のグリップヒーターが装着されています。
これまで、巻き付け式のグリップヒーターや非純正の丸ごと交換するグリップヒーターを使った事ありますが、暖かさ、使いやすさどこをとっても、純正のグリップヒーターが頭一つ抜けていたので紹介します。
目次
そもそもグリップヒーターって必要?
グリップヒーターは、走行中に冷えやすい手を直接暖める装備です。
冬にバイクに乗っていると
- 指先がかじかんで動かしづらい
- ブレーキやクラッチ操作が遅れる
- ハンドルをしっかり握れなくなる
といった寒いならではの経験をした人も多いでしょう。
これは「寒い=辛い」だけではなく「操作ミス=安全性低下」に繋がる問題でもあり、耐えるだけで解決しようとしていい問題ではありません。
なので、グリップヒーターはただ冬にバイクに乗るのに快適性を上げるだけの装備に留まらず「手の感覚を保ち、冬でも安全にバイクを楽しむため」に必要な装備になります。
ヤマハ純正グリップヒーター(ワイズギア)の特徴
グリップ360°過熱でムラが無い
360°全体が暖かいヤマハ純正グリップヒーター最大の特徴は、360°グリップ全体が暖かいことです。
指だけ暖かい、手のひらだけ暖かいといったムラが無いのです。
デイトナ:ホットグリップは赤枠部分だけ過去に使っていた非純正の丸ごと交換したグリップヒーターでは「グリップの前方の一部だけ暖かい」といった暖まる箇所が限定されていて効果が限定的でしたが、ヤマハ純正グリップヒーターはグリップ全体が暖かく、暖かさの感じ方が段違いです。
10段階の温度調整
純正液晶で設定温度確認温度は10段階調整が可能です。
正直最初は10段階もいらないだろ「3段階(弱/中/強)で十分では?」と思っていました。
実際使った体感の目安としては以下の通りです。
| 設定レベル | 感じ方 | 外気温 | 使用場所 |
| 10 | 激熱 | 0~5° | 山間部 |
| 8 | 熱い | 5~10° | 郊外 |
| 5 | 暖かい | 10~15° | 冬の街中 |
| 3 | ほんのり | 15°~ | 秋の街中 |
普段の切り替える目安としては、走り始めは5、寒くなってきたら8、極寒時は10と言った感じです。
インナーグローブは必須10にすると0°でも暖かさを感じるレベルで、8でも5°ぐらいなら汗ばむほどの暖かさで「熱すぎて火傷する」という今まで感じたことが無い悩みがこのグリップヒーターにはあります。
純正ならではの操作性と分かりやすさ
純正ホイールスイッチで操作温度調整は、ハンドル右のホイールスイッチで切り替えます。
- 冬用グローブのままで操作可能
- 液晶メータに温度レベルが表示される
- スイッチの増設が不要
非純正によくある「グリップ根元に操作スイッチがあり邪魔」ということがありません。
交換しても、最初からそういう装備のように思わせる自然さは純正ならではです。
純正ならでは「後付け感」ゼロ
既存配線と違和感無くまとまる私はMT-09を中古で購入し、最初からグリップヒーターが取り付けられてました。
後から取付方法を調べたのですが、純正なので専用配線から電源取得できるので配線はコンパクトにまとめられて、バッテリー直結ではないようです。
非純正だとバッテリーまで配線を引き回すことが多いので、見た目や整備性を考えても純正ならではの安心感があります。
操作性について
グリップの選択肢は無くなるグリップヒーターのデメリットをあげるとしたら、グリップの選択肢が無くなる事です。
私は振動を和らげるゲル入りのグリップが好きだったのですが、グリップヒーターにはゲル素材は使われていません。
過去Ninja400に乗っていた時で、グリップ丸ごと交換してグリップヒーターにした時は、振動が気になって元に戻した経験があります。
しかし、このMT-09ではその心配は杞憂でした。
最初から振動軽減タイプのグリップではなかったこともあるかもしれませんが、 そもそもバイク自体から伝わってくる振動の質が違います。
2気筒のNinja400 と、3気筒のMT-09では、 エンジンから発生し、グリップを通して手に伝わる振動の大きさに明確な差があります。
3気筒以上にもあると大きな振動が減るので、振動軽減グリップじゃなくても手の疲れは少なく、逆に2気筒以下ならグリップヒーターにすると疲れる事がバイクによってはありそうです。
また、ヤマハ純正グリップヒーターは純正からグリップ径も大きく変わらないので、握り心地が変わりにくいのも良い点だと思いました。
バッテリーへの影響は?
ヘッド内に専用カプラグリップヒーターに限らず、冬の暖かい装備で気をつけないといけないのが、電力消費です。
その点純正なので消費伝量は最適化されていて、車種用に消費量は最適化されていて、前述したように電気取得場所もあらかじめ用意されたところから配線しているのでいろいろな面で安心です。
ちなみに、冬の始動1発目、バイクのエンジンがかかりにくい時は、グリップヒーターやその他電力を消費する装備を繋げてる場合は一旦外してからエンジンスタートしてみると始動しやすいです。
最後に
ヤマハ純正グリップヒーターは
- 圧倒的な暖かさ
- ムラのない360°加熱
- 純正スイッチ&メーター連携
- 後付け感ゼロの仕上がり
- 操作性・安心感の高さ
と完成度が非常に高い装備です。
そこまで寒いところ走らないし別にいらないと思っている方でも、普段乗りでもより暖かく感じるようになれば、余裕が出て幸せになるので強くおすすめできます。
冬の暖かくなる装備は、効果が定かなものもありますが、ヤマハの純正グリップヒーターは「もっと早くつけていればよかった」と素直に思える装備の1つになるでしょう。

























