新しくチタンレッドのミラーシルドを使い始めました。
これまでに使用したミラーシールドは、Sky製の「シルバー」「スカイブルー」、Shoei純正の「ファイアーオレンジ」「ゴールド」の4種類です。
チタンレッドは今まで使った事の無いカラーで、メーカーとしてもT’s製は初めてです。
これまで使ってきたミラーシールド経験を踏まえて、チタンレッドの使用感や見え方について紹介します。
目次
ミラーシールドの基本:カラーとベースの違い
カラーの違いについて
ミラーシールドは通常のシールドと違い、外からの見た目だけではなく、カラーにより視界の色味や光の通り方に大きく影響します。
例えばカラーにより下記のような特徴があります。
- ブルー系・・・青い光を遮断するため、視界が黄味がかって見える。
- シルバー系・・・茶色っぽい色味で、やや落ち着いた視界になる。
- レッド系・・・青みがかって見えるようになり、優しい感じの見え方になる。
ミラーシールドを使い始めると、最初は色味の違いに違和感を感じるかもしれませんが、使い続けると脳が順応してくるため、実際の所初期の違和感は気にならなくなります。
ベース(スモーク濃度)の違いについて
カラーのほかに「ベース」に使われるスモークの透過度の違いがあります。
これはシールド越しの視界の明るさや顔の透け具合に大きく影響します。
代表的に3種類のスモークを濃い順番に並べると以下のようになります。
- 濃い)ダークスモーク・・・顔は透けにくいが夜間は暗すぎる
- 普通)スモーク・・・昼夜のバランスがよい
- 薄い)メロウスモーク・・・顔は透けやすいが視認性はよい
スモークは濃いほど顔が透けにくくなるメリットがありますが、夜間走行時は視界が悪くなるデメリットがあります。
ただし、ミラーシールドの場合はカラーによる透け具合も考慮する必要があります。
例えば『メロウスモーク/シルバー』と『スモーク/スカイブルー』ではカラーの効果でシルバーの方が透けにくくスカイブルーの方が顔は透けやすいなどです。
ミラーシールド「T’s/チタンレッド」について
選んだ理由はシンプルで、「暖色系の、ほんのり青みがかった視界」が好みだからです。
これまで使ってきたゴールドやファイアーオレンジはカラー名称こそ異なるものの、実際の視界の色味には大きな差はありませんでした。
今回のチタンレッドもカラー名称は「赤」ですが、同じ暖色系なので好みの見え方になるだろうと期待して選びました。
また、T’s製を選んだ理由としては、Sky製は既に使用経験があり、Shoei純正ではこのカラーがなかったこともあり、気になっていたT’s製を初めて選びました。
ちなみに、T’s製といっても、元のシールドはShoei純正のものをベースに、各社が独自にコーティングを施しているだけなので、シールド自体の品質には差はありません。
違いが出るとすれば、今後の使用によるコーティングの耐久性や傷への強さといった部分になると思います。
見え方について
道路の見え方

山の景色の見え方

海の景色の見え方

夜の見え方

見え方の感想
想定していた通り、暖色系ミラーシールド特有の、青みがかった視界になりました。
比較画像などで見ると、青すぎて不安になるかもしれませんが、実際に使ってみると驚くほど早く慣れます。
「何度も使えばそのうち慣れる」というレベルではなく、使い始めて数十分で脳が自然に補正してくれます。
この青みがかった視界のおかげで、海や空といった青系の景色がよりクリアに、鮮やかに見えるのもポイントです。
さらに、曇り空のどんより感も軽減されて、全体的に気分が明るくなるような見え方になるので、やっぱり暖色系ミラーシールド越しの景色は優しく見えるようになると感じました。
一部のミラーシールドでは、視界の色味が不自然になったり、違和感が強くなるものもありますが、チタンレッドに関しては視界の色味も良い方向にナチュラルで好印象です。
ここまでは今までの暖色系ミラーシールドの経験していたので予想通りの使い心地でしたが、チタンレッドならではの特徴も感じました。
それは、視界の端に向かって色のグラデーションがあることです。
ミラーシールドをよく見ると、シールド全体が均一の色味ではなく、中心から外側にかけて色の風味が変化していて、これが中から見ると端の方では青みが消えて「ピンクがかった色合い」になるんです。
ファイアーオレンジのミラーシールドでも外観はグラデーションがありましたが、チタンレッドのように内側から視界の色が変わると感じることはありませんでした。
普段まっすぐ前を見ている分にはあまり気になりませんが、例えば目線移動だけでサイドミラーを確認する瞬間などに、このピンクの視界が入ってきて違和感がありました。
最初はこの色の違いでミラーが非常に見づらくなり、後方確認にかなりの違和感を感じたのですが、ある程度走っているうちにその変化にも自然と慣れてました。
ここまでは主に通常の日中での見え方で、暗くなるとまた見え方は変わってきます。
ミラーシールドという性質上、夜間走行ではどうしても視界が悪くなります。
そもそもスモークシールドだけでも暗くなりますが、そこにミラーコーティングが加わることでさらに暗さが増し、特に暗い道では視認性が大幅に低下します。
市街地など光源がある場所なら、これまでの経験上そこまで不便を感じることはありませんが、街灯のない山道や郊外では注意が必要です。
さらに「夜+雨」といった条件が加わると、場所によっては「ほとんど見えない」と感じるレベルまで視界が悪化することもあります。
ツーリング先などでこうした状況に遭遇した場合は、ルート変更や予定の見直しを検討する必要があるでしょう。
とはいえ、ミラーシールドの中でもチタンレッドはまだマシな方です。
シルバー系のようなさらに見えにくくなるカラーだと、さらに夜間の暗さが増して走行に支障をきたすレベルになることもあります。
顔の透け具合について
正面

側面

顔の透け具合については、距離やシールドへの光の当たり方によって変わってくるため一概には言えませんが、チタンレッドは比較的「透けにくい部類」だと感じました。
これまで私が使ってきたミラーシールドを踏まえると、透けにくさの印象としては以下のような順番です:
シルバー > チタンレッド > ファイアーオレンジ = ゴールド > スカイブルー
顔先数センチの距離で面と向かうと見えてしまいますが、通常のバイク走行中に他人とそのような距離で対面することはありません。
輪郭程度はうっすらわかるかもしれませんが、実用上「顔が見える」と感じる場面はまずないでしょう。
総合評価
チタンレッドはやや派手なカラーで、人によっては選びにくい印象を持たれるかもしれませんが、暖色系ミラーシールド特有の青みがかった見え方は心地よく、空や海などより鮮やかに見える場面も多くなります。
顔の透け具合は控えめで、乗車時の距離感で顔が分かる事はないでしょう、これまで使ってきたミラーシールドの中でも透けにくさとのバランスは優秀だと思います。
一方で、ミラーシールドである以上、夜間の視認性はやはり低下します。
とはいえ、チタンレッドは見た目のミラーシールドらしいカラーに加えて、視界の快適さ・顔の透けにくさ・実用性のバランスが良く、ミラーシールド初心者にもおすすめできると思いました。
最後に
個人的には、景色の美しさや視界の心地よさを重視するなら、チタンレッドは良い選択肢だと感じます。
たったひとつカラーを変えるだけで、ここまで見え方や気分が変化するミラーシールドは、やっぱり使っていて面白いものです。
ちなみに、実店舗の室内で軽く透かして見るだけでは、色味の印象も透け具合の感じ方は大きく変わります。
本当の変化を知りたいなら、ヘルメットに装着した状態で、屋外の自然光の下で確認するのが理想ですが、店舗でそこまで試すのは難しいので、その違いがあることは覚えておきましょう。
YouTube動画
Youtubeの方もよろしければご覧ください。